掘り出し物?

今月上旬、阪神百貨店・美術品コーナーのセールに出ていた、日本画家・高山辰雄の「書」のリトグラフ。な、な、なんと5,250円でゲットいたしましたっ!
1968年に発行された版画集『唐詩選』の中の「玉華宮」という作品。と言っても、メインのリトグラフの絵と対になって発行されているので、「書」だけだと作品の価値がほとんどないのかな…
それにしても5,250円は安すぎるんじゃないでしょうか。額込みの値段ですよ!
李朝家具のキャビネットの横に飾るととってもいい感じになりました^^
掘り出し物?_b0086273_749233.jpg

詩の内容をネットで調べてみたところ、
「世の中にとどまるものはなく、人間という存在も、いずれ跡形もなく消えていく…」というようなちょっと物悲しいものでした。


●玉華宮(ぎょくかきゅう) 杜甫

渓回松風長   谷はめぐって流れ、松風は吹きわたる
蒼鼠竄古瓦   老いた鼠は人に驚いて古い瓦のかげにかくれる
不知何王殿   ここは、何という王の宮殿だったのか
遺構絶壁下   絶壁の下に、荒れ果てた建物が崩れかかって残っている
陰房鬼火青   暗い部屋に鬼火が青く燃え
壊道哀湍瀉   こわれた石畳の道には水が浅瀬になって悲しい音を立てて流れている
万籟真笙于   松風の音、水のせせらぎがが笛の音のごとくに響く
秋色正瀟灑   あたりは一面に清くさわやかな秋の色だ
美人為黄土   その昔、ここに仕えた美人たちも、みなすでに黄土と化した
況乃粉黛仮   当時のものを残すのは、ただ石で刻んだ馬があるばかり
当時侍金與   旅の道すがらここに立ち寄り、今昔の感に堪えず
故物独石馬   さまざまの憂いが胸に満つ
憂来藉草座   草をしいて座し、声高く歌をうたえば、涙は手にあふれるばかり
浩歌涙盈把   ああ、思えば、しばし、とどまる時もなく、歩み続ける人の世の旅路にあって
再再征途間   誰が一体永き命を保ち得ようか
誰是長年者   わが命も、世のすがたも、すべては滅び去るものではないか
Commented by 福にゃんママ at 2009-06-25 01:13 x
ほぉ~~スゴイ良いお買い物でしたね~~
杜甫か・・・なつかしいなあ
学校でてから縁がなかったけれど・・・
李白が好きだったような・・・どうだったかなあ〈遠い目~)
Commented by halftone26 at 2009-06-25 10:41
☆福にゃんママさん、おはようございます~
この「書」と「絵」のセットでだいたい20万円前後の値段がついているようです。
5,250円は安いですよね^^

実は私、李白だったらすぐにわかったのですが、
杜甫のことはすっかり記憶から消えておりました(笑)
今回、なんとなくビビビッときただけで買ってしまったこの作品ですが、
「ところでコレ、なんて書いてあるんだろう?」
「どんな意味なんだろう?」
「杜甫って聞いたことあるけど…」
といった感じで、いろいろと勉強になりました^^
by halftone26 | 2009-06-23 08:20 | お気に入り | Comments(2)

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