ひろしま美術館・ドービニーの庭♪

山口への帰省途中で広島駅で下車したのは、「ひろしま美術館」へ行きたかったから。
今年の秋、アムステルダムのゴッホ美術館へ行く前に、とりあえず「ドービニーの庭」を見ておこう!と思ったからなんです。
がぁ、「とりあえず」なんて言葉を使ったのが恥ずかしくなるくらい、濃厚な時間を過ごしてしまいました。


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原爆ドームをイメージした円形のメイン建物に美術館が所蔵している作品が常設展示されているのですが、この作品たちがすご過ぎました。
ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、ルノワール、デュフィ、モディリアーニ、黒田清輝、青木繁、佐伯祐三、藤田嗣治などなど。


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次の企画展が始まる前日だったので、人も少なくゆっくりと鑑賞することが出来たのも良かったです。


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作品を見る前に敷地内にある「カフェ・ジャルダン」でちょっと早めのランチ。
ボリューム的にはちょっと物足りない感じだったけど、せっかくなので、ゴッホの「ドービニーの庭」をイメージしたガーデンサラダを選びました。


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回りを見渡すと、テーブルの上のレシート入れだけでなく、カフェの看板や窓ガラス、ロッカーにも黒猫が使われていて、注文したサラダの説明にも「サラダの中に黒猫が隠れています…」な~んて書かれている。
猫好きな私にはとっても嬉しいことなので、その時は深く考えなかったのですが、あとでこの「黒猫」の意味がわかった時はちょっと感動してしまいましたよ~^^


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もしも美術館が混んでいたら、カフェでランチしたあと、ゴッホの「ドービニーの庭」を見て他の名画もサクッと見て、ひろしま美術館をあとにしていたと思うんです。
それが全くといっていいほど混んでいなかったので、ミュージアムガイダンスでも見てみようか!ってことになったわけです。
スマホでアクセスして「ドービニーの庭」のガイダンスを見て読んで、「黒猫」の意味がわかった時は、思わずうなずいてニンマリしてしまいました。


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実は実はこの作品にはもともと黒猫が描かれていたそうです。
1901年の「ゴッホ回顧展」のために消されてという説が有力らしいのですが、消されて理由はいくつか説があって、猫の絵がへたくそだったとか、黒猫は縁起悪いからとか…。 どちらにしてもこの絵が高く売れるように加筆されたそうですよ。
ゴッホはこの作品を描いた2週間後ぐらいに自殺してしまい(1890年)、死後はまずドービニー婦人に寄贈され、いろんな所有者のもとを転々として(ベルリン国立美術館に収蔵された時期もあったり)、ひろしま美術館を設立した広島銀行がこの作品を落札したのは1974年。
そして2008年に吉備国際大学が行ったエックス線を使った調査で黒猫が消されていることがわかったんだそうです。
ちなみにスイスのバーゼル美術館にある「ドービニーの庭」には、しっかりと黒猫が描かれています。
ゴッホファンの方やひろしま美術館ファンの方だったら、知ってて当然!のエピソードかもしれませんが、私が知ったのはつい数日前。
画家の生涯や作品の隠れたエピソードを知ったり、どんな所有者を経てきたのかを知ると、ひとつの作品でもこんな楽しめるんだ~!と改めて気付かされたのでした。


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上が「ひろしま美術館」、下が「バーゼル美術館」の作品。 たしかに、黒猫がいない方がバランス的にはいいのかもしれませんね。^^


Commented by omachi at 2019-06-19 12:08 x
お腹がくちくなったら、眠り薬にどうぞ。
歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)

読み通すには一頑張りが必要かも。
読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
ネット小説も面白いです。
Commented by halftone26 at 2019-06-21 17:24
☆omachiさん、こんにちは~
「物語に観光地が絡むと興味倍増…」
本当にそうですよね。
またゆっくり読ませて頂きますね。ありがとうございます。
by halftone26 | 2019-06-18 16:22 | ちょっとおでかけ | Comments(2)

2匹の猫と送るゆる~い日々


by 人生は旅にゃり
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